Appleが時価総額首位を奪還、クックCEO最後の可能性がある決算説明会で注目の5項目

AppleがNvidiaを抜き時価総額首位を奪還。30日の決算ではAI需要、メモリ高騰の影響、iPhone 18の価格戦略が焦点となる。
関連記事 Appleが時価総額首位を奪還、クックCEO最後の可能性がある決算説明会で注目の5項目 AppleはNvidiaを抜き、時価総額約4.94兆ドル(約810兆円)で世界一の座を奪還した。7月30日(木)に予定されている四半期決算発表後の説明会は、9月にCEOを退任するティム・クック氏にとって、Appleの最高経営責任者としてアナリストの質問に答える最後の機会になる可能性がある。AIによる買い替え需要やメモリチップ危機が利益率に与える影響、今秋のiPhone 18発売に向けた見通しなど、今後のAppleを占う重要な決算となる。 ■設備投資を抑えたAI戦略がウォール街で評価 27日、Appleの株価は1%以上上昇して1株当たり約336.22ドルとなり、時価総額は約4.94兆ドル(約810兆円、1ドル=164円換算)に達した。これにより、時価総額約4.83兆ドル(約792兆円)のNvidiaを上回り、2025年4月以来となる世界で最も価値の高い上場企業の座を奪還した。Apple株は年初来で22%以上上昇しており、マグニフィセント・セブンの中で2026年に最も高い上昇率を記録している。一方、Nvidia株の同期間の上昇率は約7%である。 Freedom Capital Marketsのチーフマーケットストラテジスト、Jay Woods氏は、「かつてはAIへの投資が足りないと批判されていたが、その結果、設備投資を巡る落とし穴の一部を回避できた」と述べた。 この評価の背景には、AppleのAI戦略がある。同社は、Alphabet、Meta、Microsoftが年間750億ドル(約12兆3000億円)以上を投じて進めているような、ハイパースケールのデータセンター建設を意図的に避けている。代わりに、Appleは2層構造のアーキテクチャを採用している。文章作成の提案、通知の要約、基本的なSiriへの問い合わせといった比較的単純なApple Intelligenceのタスクは、ユーザーのデバイスに搭載されたApple Silicon上で直接動作する約30億パラメータの言語モデルによって処理され、クラウドインフラを使用しない。Googleとの協業によりGeminiのモデル技術を用いて構築された第3世代のApple Foundation Modelsは、こうしたオンデバイス推論から拡張されたクラウドインフラまでをカバーする。より負荷の高いタスクは、Apple独自のクラウドAI基盤であるPrivate Cloud Compute(PCC)に送られる。PCCはApple Siliconサーバー上で状態を保持しない推論を実行する。ユーザーデータは保存されず、メモリ上で一時的に処理されるだけで、プライバシー保護の仕組みは暗号学的に検証できる。 Appleは2026年6月のWWDCで、初めてPCCを自社データセンターの外部へ拡張した。GoogleおよびNVIDIAと協業し、エージェントによるツール利用や複雑な推論を含む、特に負荷の高いApple Intelligenceのワークロードを、NVIDIA製GPUを使用するGoogle Cloud上で実行する一方、Appleのプライバシーに関する方針を維持する仕組みである。 投資家から見た評価のポイントは明快だ。Appleは競争力のあるAI機能を提供しながら、過去3四半期にわたって設備投資を減らしている。年間4300億ドル(約70兆5000億円)以上の売上高をすでに計上する企業にとって、データセンターインフラに750億ドルを投じないことは弱点ではなく、利益率を維持するための設計上の選択だ。木曜日に発表される粗利益率は、この選択がメモリチップのコスト上昇下でも有効に機能しているかを判断する、最も明確な材料となる。 ■ウォール街の決算予測とサービス部門の重要性 市場予想では、6月下旬までの3カ月間を対象とするAppleの2026年度第3四半期(Q3)の売上高は、前年同期の940億4000万ドル(約15兆4200億円)から約14~16%増加し、約1089億ドル(約17兆8600億円)になると見込まれている。希薄化後1株当たり利益(EPS)は約1.89ドルと、2025年度Q3の1.57ドルから20%近く増加する見通しだ。Appleは過去4四半期のすべてで、ウォール街のEPS予想を上回っている。 これらの数字は、Apple自身が4月に示したガイダンスの範囲内に収まる。AppleInsiderによる2026年度Q2決算説明会のレビューでは、売上高の前年同期比成長率は14~17%、粗利益率は47.5~48.5%、営業費用は188億~191億ドル(約3兆800億~3兆1300億円)とされていた。 木曜日の決算で最も重要な項目の一つがサービス部門の売上高だ。App Store、iCloud、Apple Music、Apple TV+、AppleCare、広告を含む同部門の売上高は、2026年度Q2に過去最高の309億ドル(約5兆700億円)に達し、前年同期の266億ドルから増加した。アナリストはQ3について、前年同期比約14%増の約314億ドル(約5兆1500億円)を予測している。 サービス部門が利益率の議論で重視されるのは、ハードウェア製品の粗利益率が約37%なのに対し、同部門の粗利益率が70%を超えるためだ。したがって、サービス売上高が1ドル増えることで得られる粗利益は、iPhone売上高が1ドル増えた場合のおよそ2倍になる。Appleの稼働中デバイスの総数は今年初めに25億台を超え、過去最高を記録した。 同四半期のiPhone売上高は550億~570億ドル(約9兆200億~9兆3500億円)と予想されている。iPhone 17シリーズは春の販売期を通じて好調を維持している。アナリストは、米国でのAIをきっかけとした買い替え需要と、中国での販売動向の改善を主な要因として挙げ、2026年度のiPhone販売台数予測を約2億5800万台へ引き上げた。これは2025年初めに公表された予測より約1800万台多い。 ■Apple Intelligence導入から1年、買い替えへの影響 2026年度Q3は、Apple IntelligenceがAppleの幅広い対応デバイスで利用できるようになってから、初めて丸ごと対象となる四半期だ。AIを活用した文章作成ツール、再設計されたSiri、画像生成、アプリを横断した高度な連携機能を含むこの機能群は、2025年4月のEUでの提供開始と、その後のmacOS Tahoe 26に伴う展開拡大を経て、多数の国のユーザーが利用できるようになっている。 投資家は、AI機能の展開が測定可能なハードウェアの買い替え行動につながっていることを示す、具体的な材料に注目している。その前提は一貫している。Apple Intelligenceを利用するには、iPhoneではA17 Pro以降、MacとiPadではMシリーズという比較的新しいチップが必要であり、古いデバイスの利用者に買い替えを促す理由になるというものだ。2025年初めに米国の消費者約3300人を対象に実施されたMorgan Stanley AlphaWiseの調査では、Apple Intelligenceを利用できる米国のiPhone所有者のうち、80%近くが同機能をダウンロードして利用したと回答した。また、回答者の42%は、次に購入するiPhoneにApple Intelligenceの機能が搭載されていることを「極めて重要」または「非常に重要」と評価した。 ただし、展開が順調だったわけではない。Appleは2026年初め、AIが生成したニュース通知の要約が元記事の内容を誤って伝えるなど、事実と異なる通知要約を生成した問題で批判を受けた。また、Apple Intelligenceの最初の発表時に予告されたSiriの高度な機能、特にユーザーのカレンダー、メッセージ、文書をアプリ横断で理解するパーソナルコンテキスト機能の提供は、当初の計画が示唆していた時期より遅れている。クックCEOは、これらの機能の提供時期に関する最新情報や、iOS 27でプラットフォームに追加される機能について、初期の見通しを示す可能性がある。 Appleが今年初めに発表したClaudeおよびGeminiとの統合も、決算説明会の議題になる可能性が高い。これは、ユーザーが同意した場合に、一部のリクエストを外部のAI事業者へ送れるようにする仕組みだ。アナリストは、外部AIとの統合がApple Intelligenceの利用場面を広げているのか、それとも特に負荷の高いタスクではApple独自のモデルがまだ十分でないことを示しているのかを見極めようとしている。 ■価格上昇への対応策、新たなリースプログラム「Apple Upgrade」 Klarnaと提携したAppleの新しいデバイスリースプログラム「Apple Upgrade」は、7月28日(火)に開始される予定だ。BloombergのMark Gurman氏は、これをAppleのハードウェア販売方法における同社史上最大級の変更の一つと評した。TechCrunchの報道によると、米国の顧客はiPhoneとApple Watchを24カ月、MacとiPadを36カ月の契約でリースできる。契約期間中のアップグレード、残額の早期精算、契約終了時のデバイスの買い取り、返却といった選択肢が用意される。 Appleは、このプログラムを一括購入より月々の支払額を抑えられる選択肢として明確に位置付けている。同社がすでに実施したMacとiPadの値上げに対応するとともに、今秋のiPhone 18発売時に予想されるさらなる値上げに備える狙いがある。スウェーデンの後払い決済(BNPL)事業者Klarnaが金融面を担うことで、Appleは顧客との関係やエコシステムへの定着を維持しながら、信用リスクを切り離す。 このプログラムは、11年間続いた「iPhone Upgrade Program」に代わるものだ。また、Goldman Sachsが消費者向け銀行事業から撤退するのに伴い、Appleが段階的に終了させてきた同社支援の分割払いプランも廃止される。Apple Watch SE、標準モデルのiPad、iPhone 16、MacBook Neoなどのエントリーモデルは新プログラムの対象外であり、リースの対象はAppleにとって利益率の高い中価格帯および高価格帯のハードウェアに寄せられている。 プログラムの開始は本記事の公開日である7月28日のため、木曜日に発表されるQ3決算にApple Upgradeの影響が表れる可能性は低い。しかし、クックCEOとKevan Parekh CFOは、プログラムの戦略的な狙いや初期の申し込み状況、リース利用者が定期的にデバイスを買い替える可能性をAppleがどのように見ているかについて説明すると予想される。利用者が定期的な買い替えサイクルに移行することは、iPhone 18の発売を数週間後に控えた時期にプログラムを始めるうえでの中心的な狙いだ。 ■メモリチップ危機がAppleのコスト構造に与える影響 木曜日の説明会で投資家がクックCEOとParekh CFOに最も説明を求めるとみられるのが、半導体業界で「RAMageddon(ラマゲドン)」と呼ばれるメモリチップ危機と、それが粗利益率やiPhone 18の価格設定に及ぼす具体的な影響だ。 その仕組みは単純だが、問題は構造的である。世界のDRAMの95%以上を生産するSamsung、SK Hynix、Micronの3社は、NvidiaのHシリーズやBシリーズGPUなどのAIアクセラレーターで使用される広帯域メモリ(HBM)へ、製造能力を継続的に振り向けている。HBMには、従来のモバイルDRAM向けに短期間で転用できない、シリコン貫通電極(TSV)による積層技術を使用した専用の生産ラインが必要になる。経済的な動機は明確だ。標準的なDRAMの粗利益率が約40%であるのに対し、HBMはメーカーに約60%の粗利益率をもたらす。 調査会社TechInsightsの分析によると、Appleが調達する部品への影響は大きい。iPhone 17 Proに搭載される12GBのLPDDR5Xメモリパッケージは、Appleにとって約39ドル(約6400円)のコストだった。iPhone 18 Pro向けの同等部品は約145ドル(約2万3800円)になると予測され、同じメモリ構成で272%の増加となる。NANDフラッシュストレージのコストも同様に上昇しており、256GB品は1台当たり約13ドル(約2100円)から約51ドル(約8400円)へ上昇している。 半導体調査会社TrendForceによると、DRAMの契約価格は2026年第1四半期だけで約90~95%上昇した。同社の2026年第2四半期のデータでは、価格は前四半期比でさらに約60%上昇した後、2026年Q3には上昇ペースが鈍化し始めた。家電メーカーなどの買い手が吸収できる限界に達したことから、TrendForceはQ3の上昇率を前四半期比13~18%と予測している。この鈍化は供給の改善を反映したものではなく、買い手がさらなる値上げを受け入れられなくなったためであり、メモリの構造的な供給不足は続いている。 MicronのSanjay Mehrotra CEOは直近の決算説明会で、同社は「現在、メモリ供給が増加する需要にいつ追い付けるのか、見通せていない」と述べた。SK HynixのCEOも2026年7月、供給不足は2030年を大幅に超えて続く可能性が高いと警告した。 Appleは6月、この圧力を明確に認めた。TechTimesの報道によると、ティム・クックCEOはWall Street Journalに対し、この状況を業界に40年以上いても経験したことがない「100年に1度の洪水」と表現し、同社の製品ライン全体にわたる値上げは「避けられない」と述べた。この発言と前後して、Appleは6月25日、モデルに応じてMacを100~300ドル(約1万6000~4万9000円)、iPadを150~200ドル(約2万5000~3万3000円)値上げすることを決めた。 iPhone 18 Proの小売価格がどの程度上昇するかについては、アナリストの予測に大きな幅がある。TechInsightsは、Appleが現在の約47%の粗利益率を維持するには、iPhone 18 Proの価格をiPhone 17 Proの開始価格である1099ドル(約18万円)から約270ドル(約4万4000円)引き上げ、開始価格を約1369~1371ドル(約22万5000円)にする必要があると推定している。一方、JPMorganはより保守的で、値上げ幅は最大でも50ドル(約8200円)になると予測する。Appleが新しい自社製Cシリーズモデムやサプライヤーとの交渉を通じ、メモリコストの一部を相殺できるためだとしている。Counterpoint Researchのディレクター、Tarun Pathak氏は、コストの急騰によってAppleのiPhone1台当たりの製造費用が150~200ドル増える可能性があると推定している。木曜日に示される粗利益率のガイダンスは、Appleがこの予測範囲のどちら側に近づいているかを示す、最も明確な公表情報になる。 テクノロジーコンサルティング会社Creative StrategiesのCEO、Ben Bajarin氏は、「メモリを巡る環境は厳しく、予見可能な将来にわたって構造的に厳しい状態が続く」と率直に評価した。 ■デバイス上でApple Intelligenceが動作する仕組み 今回はApple Intelligenceが幅広い対応デバイスで利用可能になってから初めて丸ごと対象となる決算四半期であるため、木曜日の説明会を前に、その技術的な構成を整理しておく価値がある。 Appleのアプローチは、一つの重要な点でほかの主要AIプラットフォームと異なる。処理を原則としてデバイス上で行う点だ。ユーザーがSiriに電子メールの返信作成や文書の要約を依頼すると、そのリクエストはデバイス内のApple Silicon上で直接動作する約30億パラメータの言語モデルに送られる。具体的には、A17 Pro以降を搭載するiPhoneのNeural Engineや、Mシリーズを搭載するMacなどの同等機能が処理を担う。基本的なリクエストでは、データはデバイスの外へ送信されない。 複雑な複数段階の推論、画像生成、特に負荷の高いエージェント型ワークフローなど、タスクがオンデバイスモデルの能力を超える場合に限り、AppleはリクエストをPrivate Cloud Compute(PCC)へ送る。PCCサーバーはApple Siliconと、iPhoneにも使われるSecure Enclaveのアーキテクチャを採用する。リクエストは一時的に処理され、処理サイクルが終わるとユーザーデータは保持されない。転送中のユーザーデータにはApple自身もアクセスできないように設計されている。研究者は、Appleが公開しているPCCソフトウェアスタックの仮想マシンイメージを使い、そのプライバシー特性を独立して検証できる。 2026年6月のWWDC以降、PCCはNVIDIA製GPUを使用するGoogle Cloudインフラへ拡張された。これによりAppleは、プライバシーに関する同じ方針を維持しながら、特に負荷の高いタスクについて、Googleとの協業によりGeminiのモデル技術を用いて構築した、より大規模な第3世代Apple Foundation Modelsを実行できる。Appleはこの仕組みにより、競合各社のように年間数百億ドル規模を投じてハイパースケールデータセンターを建設せずに、競争力のあるAI機能を提供できる。 ただし、トレードオフもある。Appleのオンデバイス優先のアーキテクチャでは、クラウドネイティブのAIアシスタントのように、会話をまたぐ永続的なメモリを提供できない。また、最も複雑な推論機能は、Appleが所有していないGoogle Cloudインフラに依存する。一方、プライバシーを重視するユーザーや、Appleの設備投資動向を評価する投資家にとって、このアーキテクチャは一貫した設計思想を示すものであり、月曜日の市場終了時点では市場から評価されている。 ■クックCEOの最終章とTernus氏が引き継ぐもの 木曜日は、ティム・クック氏がCEOとしてAppleの四半期決算説明会に出席する最後の機会になる可能性が極めて高い。Appleの取締役会は2026年4月20日、クック氏が9月1日付で執行会長に移り、現在ハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるJohn Ternus氏が、Appleの第8代CEOとして後任に就くと発表した。 50歳のTernus氏はペンシルベニア大学で機械工学を学び、2001年にAppleの製品デザインチームへ加わった。ハードウェアエンジニアリング部門で要職を重ね、2021年にシニアバイスプレジデントへ昇格した。過去数年間は、AppleのiPhoneおよびチップ開発を対外的に説明する中心人物となっている。ハードウェアテクノロジー部門を率いてきたJohny Srouji氏は、最高ハードウェア責任者に役割を拡大し、Ternus氏が担ってきたエンジニアリング上の責任を引き継ぐ。 この経営移行は、歴史的に重要な時期に行われる。クック氏が2011年8月にスティーブ・ジョブズ氏から経営を引き継いだ当時、Appleの時価総額は約3490億ドル(約57兆2000億円)だった。クック氏の在任中、Apple株は1700%以上上昇した。またAppleは、同氏の在任中に時価総額1兆ドル、2兆ドル、3兆ドルへ到達した初の企業となった。月曜日時点の時価総額は5兆ドルに近づいている。 Ternus氏は、iPhone 18の発売サイクルが始まる時期にCEOへ就任する。メモリチップ危機によって高価格化を迫られる市場環境と、クック氏が残す好調な業績の継続という、二つの課題を引き継ぐことになる。クック氏は執行会長として、投資家対応や規制当局との協議に引き続き関与するが、10月の2026年度Q4決算からは、Ternus氏とParekh CFOが四半期決算説明会の中心を担うことになる。 ■木曜日の夜に注目すべき5項目 Appleは7月30日(木)の市場取引終了後に決算を発表し、電話会議は米東部時間午後5時、日本時間31日午前6時に始まる。 サービス部門の売上高は、市場予想で約314億ドルとされる。Androidの競合サービスやEUのApp Store規制による圧力がある中でも、Appleのプラットフォームを中心とした事業の好循環が2桁成長を維持しているかを示す。 iPhoneの売上高は、市場予想で約550億~570億ドルとされる。重要な秋の製品シーズンを前に、Apple Intelligenceをきっかけとした買い替えという想定が、実際の販売実績に表れているかを示すことになる。 粗利益率は、Appleが示したガイダンスの中間値で約48%だ。木曜日の夜に最も注目される数字となる。直近の四半期にAppleがメモリチップのコスト上昇をどの程度吸収できたかを示す最も明確な指標であり、iPhone 18の出荷が本格化するQ4に直面する状況を予測する重要な材料でもある。 Q4のガイダンスはiPhone 18の発売に向けた前提を示し、決算発表直後の時間外取引で市場が特に重視する数字となる。粗利益率が47%を大きく下回ることを示唆する場合、メモリチップ危機によるコストを価格へ全面的に転嫁するのではなく、Apple自身が一部を負担せざるを得ないことを意味する。そうなれば、iPhone 18の価格設定に対する投資家の関心はさらに高まる。 Apple Intelligenceの利用状況、Klarnaとの提携によるApple Upgradeへの初期申し込みデータ、iPhone 18の価格設定に関するクック氏の発言も、今後の見方を左右する。iPhone 18は、初代iPhone以来、最も注目を集めるApple製品の発売になる可能性がある。 ■注目ポイントQ&A ●Appleの2026年度Q3決算発表はいつですか?また、説明会はどのように視聴できますか? Appleは2026年7月30日(木)、米国株式市場が米東部時間午後4時に終了した後、2026年度第3四半期の業績を発表します。アナリスト向け電話会議は米東部時間午後5時、日本時間31日午前6時に始まり、Appleの投資家向け広報ページでライブ配信されます。通常は終了後にリプレイも提供されます。ティム・クックCEOとKevan Parekh CFOが説明会を進行します。9月1日にJohn Ternus氏がCEOへ就任するため、これがクック氏にとってCEOとして最後の決算説明会になると広く予想されています。 ●iPhone 18 ProはiPhone 17 Proよりも大幅に高くなりますか? 値上げされる可能性は極めて高いものの、その幅については見方が分かれています。Appleのティム・クックCEOは6月、Wall Street Journalに対し、世界的なメモリチップ不足による値上げは「避けられない」と述べました。調査会社TechInsightsは、Appleが現在の約47%の粗利益率を維持するには、iPhone 18 ProをiPhone 17 Proの開始価格1099ドルから約270ドル値上げする必要があると推定しています。一方、JPMorganは、Appleがほかの部分でのコスト削減によってメモリコストの一部を相殺できるとして、値上げ幅は最大でも50ドルになると予測しています。木曜日に示される粗利益率のガイダンスは、どちらのシナリオに近づいているかを判断する最初の具体的な材料となります。7月28日(火)に開始予定のKlarnaとのリースプログラム「Apple Upgrade」は、最終的な販売価格にかかわらず、購入者の月々の支払負担を抑えることを目的としています。 ●Apple Upgradeとは何ですか?iPhone Upgrade Programとはどう違うのですか? Klarnaが金融面を担うApple Upgradeは、分割払いによる購入ではなく、デバイスを借りるリースプログラムです。TechCrunchの報道によると、従来のiPhone Upgrade Programでは、顧客は実質的に24カ月の無利子ローンを利用し、契約期間の終了時にはデバイスを所有していました。Apple Upgradeではデバイスはリース扱いのままで、顧客は月額料金を支払います。契約終了時には、新しいモデルへのアップグレード、残額を支払ってデバイスを所有すること、または返却を選べます。契約期間はiPhoneとApple Watchが24カ月、MacとiPadが36カ月です。一括購入より月々の支払額を抑えるよう設計されており、メモリチップ危機によるハードウェア価格の上昇への明確な対応となっています。エントリーモデルはプログラムの対象外です。 ●Apple IntelligenceはChatGPTやGoogle Geminiとどのように違うのですか? 根本的なアーキテクチャの違いは、処理がどこで行われるかです。ChatGPTやGeminiはユーザーのリクエストを大規模なクラウドサーバーへ送り、そこでデータが保持されたり、モデルの学習に使用されたりする可能性があります。Apple Intelligenceは、比較的単純なタスクを、デバイスのApple Silicon上で直接動作する約30億パラメータのモデルへ送るため、データはデバイスの外へ出ません。より複雑なタスクは、Apple独自のクラウド基盤であるPrivate Cloud Computeへ送られます。そこではユーザーデータが一時的に処理されるだけで保存されず、プライバシー保護の仕組みは独立したセキュリティ研究者が暗号学的に検証できます。一方、Apple IntelligenceはChatGPTのメモリ機能のように会話をまたいだ永続的な記憶を維持できず、最も複雑な機能は、Appleが拡張したPCCの仕組みを通じてGoogle Cloudインフラに依存します。
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